母子手帳がない
・ わが国では、99.4%の人が、分娩前に妊娠届出をし、母子健康手帳を交付されています。
・ 母子手帳の交付を受けていない人は、それだけでハイリスクであると言えます。
・ 我々の研究では、母子手帳がない親は、そうでない親と比べて、より重症の虐待を行うという結果でした。
母子健康手帳の重要性
母子健康手帳は、我が国の99.4%の妊婦が分娩前に交付を受けています。在留資格のない外国人でも、交付を受けることができます。
母子手帳は、妊娠・出産時の記録のみならず、乳幼児健診や予防接種の記録も行うものであり、我が国で母子保健サービスを受ける場合、頻繁に必要になります。
その「母子手帳をもっていない」というだけで、子育てに大きな困難を抱えていること、あるいは将来的に大きな困難を抱えることが予想されます。厚生労働省の子ども虐待による死亡事例の調査からは、心中以外の虐待死をした子どもの親の29.5%が母子健康手帳を交付されていないことが明らかにされています。
母子手帳を持っていないケースでは、望まない妊娠であったり、母親自身がネグレクト状態であったり、両親の知的障害や精神障害などが疑われます。対象者の特性にあわせた、重点的な支援が望まれます。
参考文献(文献をクリックするとリンクに飛べます)
厚生労働省 平成27年度地域保健・健康増進事業報告の概況、地域保健編
厚生労働省 子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について (第12次報告) 個別調査による死亡事例の調査結果
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