処方薬や市販薬を服用せずにはいらない

○処方薬や市販薬を大量に服用しつづけると、やめたくてもやめられなくなってしまうことがあ
 ります。

○処方薬・市販薬を乱用したり、依存したりしてしまう背景には、“生きづらさ”が隠れていま
 す。

○処方薬・市販薬の乱用や依存について“安心して相談できる”専門機関があり、やめるための手
 助けをしてくれま
す。

処方薬や市販薬を大量に服用しつづけると、やめたくてもやめられなくなってしまうことがあります

「ねむれない」「リラックスしたい」「イヤなことを忘れたい・・・」

こういった理由から、お医者さんの指示や市販薬の説明書で決められているよりも多くの量を服用してしまう人たちがいます。クスリに依存してしまっている人の場合では、決められた量の何倍も飲んでしまう人がいます。

このように医薬品を決められているよりもたくさん薬を飲んでしてしまうと、頭がボーっとして冷静な判断ができなくなったり、ろれつが回らなくなったり、足もとがふらついて転んでしまったりすることがあります。ときには、医薬品を大量に飲んだ後に、意識不明の状態になってしまって、生命の危機をまねくことさえもあります。

大量の処方薬や市販薬を服用し続けると、これらの医薬品を使うことが最優先になってしまい、子育てや仕事、家事などの本来しなければいけないことを後回しにしてしまうこともあります。その結果、身近な人との信頼関係がこわれてしまい、大切な人が離れていってしまいます。“ひとりぼっち”になってしまうのです。

このように処方薬や市販薬を大量に服用すると、自分の健康を害してしまうだけでなく、日常生活での問題をひきおこして、社会や家庭で果たすべき役割が果たせなくなってしまうのです。そして、身近な人との信頼関係も崩れてしまいます。

薬を乱用したり、依存したりしてしまう背景には、“生きづらさ”が隠れていることがあります

では、なぜ処方薬や市販薬を乱用したり、依存したりするようになるのでしょうか?

この理由の1つに、その人が処方薬を乱用したり、依存せずにはいられない状況におかれている可能性があります。言いかえると、“生きづらさ”を抱えている人が、日々を生き延びるために処方薬や市販薬を乱用したり、依存したりしているということです。したがって、治療を受ける際には、処方薬や市販薬を乱用・依存してしまう「依存症の治療」と並行して、薬を乱用・依存してしまう背景にあるその人の“生きづらさ”と向き合う必要があります。

“安心して相談できる”専門機関があり、やめるための手助けをしてくれます

処方薬や市販薬の相談や治療ができる場所には、病院、地域にある保健所や精神保健福祉センター、あるいは、民間の回復施設であるダルクなどがあります。あなたの住んでいる地域にどんな施設、相談窓口があるのか確認してみましょう。そして、ぜひ相談できる場に手を伸ばしてみてください。

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