クスリをやめることができない

○クスリ(覚せい剤、大麻、危険ドラッグなど)は、わかっていてもやめられない状態になりま
 す。

○クスリを使いつづけることで、その人の行動やようすが変わってしまいます。

○クスリを使ってしまう背景には、“生きづらさ”が隠されていることもあります。

○クスリで困っていることを安心して相談できるところがあり、クスリをやめる手助けをしてく
 れます。

クスリ(覚せい剤、大麻、危険ドラッグなど)は、わかっていてもやめられない状態になります

「これが最後の1回・・・」

そう心に決めたけれども、クスリ (覚せい剤、大麻、危険ドラッグなど) を使い続けてしまう人がいます。まさに、「(使っちゃいけないのは)わかっているけど、やめられない」状態です。では、なぜ、クスリを使わないと決心しても使ってしまうのでしょうか?

それは、クスリを使うことで“脳のしくみ”が変わってしまうからです。1度でもクスリを使ってしまうと、脳がクスリを使ったときの快感を忘れることができずに、クスリを使いたいと思うようになります。そして、クスリを使うことを一番に考えるようになってしまいます。最初はコントロールしながら使うことができていたつもりでも、知らず知らずのうちにクスリにコントロールされるようになり、最終的には「薬物依存症」になってしまうのです。

クスリを使いつづけることで、その人の行動やようすが変わってしまいます

クスリを使いつづけていると、健康状態が悪化して、仕事や子育て、家事ができなくなったりします。また、友だちや家族などの大切な人との約束をすっぽかしてでてもクスリを使うようになります。こういったことが何回も続くと、身近にいる大切な人の信頼を失い、大切な友達や家族が離れていき、“ひとりぼっち”になってしまいます。

さらに、クスリを使うことは犯罪でもあるので、逮捕されて刑務所に行かなければならなくなってしまうこともあります。

クスリを使ってしまう背景に、“生きづらさ”が隠されていることもあります

クスリを使い続けると、さまざまな問題が起きるにも関わらず、クスリを使ってしまう人がいるのはなぜでしょうか?

クスリを使いつづけてしまう理由の1つに“生きづらさ”が隠されているといわれています。たとえば、幼いころに、虐待や虐待に近い対応を受けて育った経験があったり、人間関係がうまくいかずに孤独感を抱えていたり、あるいは、とても辛い経験をしてPTSDの症状を抱えていたり・・・と、人の数だけさまざまな“生きづらさ”があります。

近年、全国で広がりを見せている薬物を再び使ってしまうことを防ぐためのプログラム (たとえば、SMARPP (スマープ) など) では、依存症の知識やクスリを使ってしまうきっかけ、再び使わないための方法を学ぶとともに、自分の人生を振り返り、自分が抱える“生きづらさ”と向き合う内容を取り扱っています。

クスリの問題は、「依存症」の問題とともに「生き方」が関わっているのです。

クスリで困っていることを、安心して相談できるところがあります

1度でもクスリを使ってしまったら、もう二度とクスリのない生活を送ることはできないのでしょうか?

そんなことはありません。クスリを止めるための相談をしたり、1つ前のセクションで紹介したようなクスリを使ってしまうことを止めるためのプログラムを受けることができる施設があります。例えば、クスリの治療を専門的に行っている病院、プログラムを実施している精神保健福祉センター、クスリから回復した人たちが運営しているダルクなどのリハビリテーション施設、当事者たちが自分の経験を分かち合うNA(ナルコティクス・アノニマス)などの自助グループなどがあります。

クスリで困っている人は、自分が住んでいる地域にこのような施設があるのかを確認して、このような“安全に相談できる窓口”で相談してみてください。

相談窓口

保健所一覧(厚生労働省HPより)

精神保健福祉センター一覧(厚生労働省HPより)

・全国のダルク一覧(厚生労働省HPより)

ナルコティクス・アノニマス一覧

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